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作成日:
2025/7/15 05:00

住宅ローン返済の負担を軽減する有効な手段のひとつが「借り換え」です。「変動金利にしたけれど、金利上昇が不安で固定金利にしたい」「固定金利にしたけれど、金利負担が思ったより重く感じるようになった」などの理由で住宅ローンの借り換えを検討してみるものの、このままのほうがいいのか悩む人も多いのではないでしょうか。
住宅ローンを借り換えする場合、長期的な返済額の圧縮を図るためには適切なタイミングでの決断が重要です。本記事では借り換えのベストなタイミングや、メリット・デメリットについて解説します。

住宅ローンの借り換えに適切なタイミングは、一般的に借り入れ後5年から10年が目安とされています。住宅ローンの借り換え時期に法的な制限は定められておらず、基本的に借り入れからすぐでも借り換え先の金融機関のローン審査に通れば借り換え自体は可能です。
しかし借り入れから数年は優遇金利が設けられている商品も多く、高額な諸費用を支払ってまで借り換えるメリットはあまりありません。逆に残りの返済期間が少なくなってくると、元利均等払いでは利息部分が少なくなるため金利が下がっても利息軽減効果は少なくなってしまいます。
そのため、返済期間の前半である借り入れ後5年から10年が住宅ローンを見直すタイミングといえるでしょう。
また、それ以外の期間でも借り換えを検討するべきタイミングは以下の3つです。
借入時より金利が1%以上下がっている
ローンの残債が1,000万円以上で返済期間が10年以上残っている
転職や独立を考えている
住宅ローンの借り換えには数十万円〜100万円程度の費用がかかります。そのため、あまり金利差がなかったりローンの残債や残りの返済期間が少なかったりすると金利軽減効果より諸費用でマイナスになってしまうケースも出てきます。
また、転職や独立をすると勤続年数がリセットされてしまうだけでなく役職が外れ収入が一時的に下がるかもしれません。そうなると住宅ローンの借り換え審査に受からなくなってしまう可能性があるため、転職や独立をする前に見直しておくとよいでしょう。

住宅ローンを借り換える主なメリットは「返済負担の軽減」「保証内容の充実」「金利リスクの回避」の3点です。
住宅ローンの借り換えを検討しているほとんどの人の目的は住宅ローン返済の負担軽減でしょう。借り換えで金利が下がれば、毎月の返済額を確実に減らせます。
例えば、「住宅ローン残債3,000万円、元利均等返済方式、残り返済期間20年」の場合、全期間固定金利2%だと毎月の返済金額は「151,765円」ですが、固定金利10年金利1%+変動金利1.5%になると、「137,968円~141,412円」と平均で月々約1万2,000円近く返済額が安くなります。
仮に金利固定期間終了後に金利が2%になったとしても、返済額は「137,968円〜144,912円」と変動金利のほうが安いままです。
(※計算には「ローン返済(毎月払い) - 高精度計算サイト」を使用)
月に1万円の差があれば、食費や習い事に充てられ、生活にゆとりが生まれます。
住宅ローン契約時に加入する「団体信用生命保険(団信)」は「契約者に万一のことがあった場合にローン債務がなくなる『保険』」のため、金利は上がるものの、がん保険や3大疾病保障付きなどの特約を付けることも可能です。
住宅ローンの借り換えは同時に団信を見直せるチャンスでもあり、返済負担を減らすほかに病気で返済困難になるリスクの回避も可能です。ローンの借り換えは子どもが増えたりなど家族構成の変化で保障を増やしたい人にも向いています。
変動金利の住宅ローンを借り換え時に固定金利に切り替えることで、将来の金利上昇リスクを回避できます。
今後の情勢で住宅ローンの金利が大きく上がるかは分かりません。しかし円安による物価高傾向にある昨今では、金利が上昇してしまうと生活費上昇のリスクが増加します。借入金額が多い場合など金利の上昇で返済負担が大きく増える人にとっては検討の余地があるでしょう。

一方で、借り換えのデメリットには「多額の手数料」や「損をするリスク」があります。
借り換えは住宅ローンの解約・再契約であり、借り換えを行う際にはさまざまな手数料が再びかかります。
借り換え先の金融機関に支払う事務手数料や抵当権の設定に係る登録免許税、手続きを依頼する司法書士への報酬などに加え、現行のローンを一括返済するための事務手数料や繰上返済手数料の支払いも必要です。
住宅ローン借り換えにかかる手数料はトータルすると数十万円〜100万円程度かかるため、金利メリットと天秤にかけて本当に得になるか検討が必要です。
5年、10年後の金利の予測は難しく、予想と全く違う状態になる可能性がないとはいえません。固定金利から変動金利に変更した結果金利が大幅に上昇したり、逆に金利上昇の不安から変動金利から固定金利にしたものの思ったより金利が上がらないこともあり得ます。
損をしそうになり再び借り換えを検討しようとしても、再度多額の手数料がかかるだけでなく年齢による収入や健康のリスクで、再度の借り換え審査に通らない可能性もあります。
目先の金利だけでなく、予想と違った場合にリスクが大きくないかについても考慮したうえで借り換えを決定しましょう。

最後に、住宅ローンの借り換えを検討する際に気になる点について簡単にまとめました。
住宅ローンの借り換えで融資を受けられる上限額は、原則として現在のローン残高と同額までとなります。
金融機関によっては借り換え手数料も融資を受けられるので、申し込みの際には確認しておきましょう。
銀行にとって利息収入の減少になるため、同じ金融機関でより金利の低い住宅ローンに借り換えることは原則できません。ただし、「契約変更」として金利タイプの変更ならできる場合があります。銀行や金利タイプを変えずに金利の負担を減らしたい場合には、繰上げ返済も検討しましょう。
ただし、例外として住宅金融支援機構の「フラット35」なら金融機関によっては借り換えが可能です。返済期間が短くなる分金利が低くなる「フラット20」への借り換えだけでなく、「フラット35」から「フラット35借換融資」への変更も可能です。金利下落傾向が続く局面では、返済期間を変えずに固定金利のままでも、借り換えによって金利負担を軽減できる場合があります。
住宅ローンの借り換えには返済額の軽減や低金利への固定化などさまざまなメリットがある一方で、手数料の発生や金利リスクも伴います。
借り換えで返済の負担を減らすためには、適切なタイミングでの決断が重要です。現在のローン残高や金利タイプ、借り換え条件を確認し、自身の状況に合った選択を心がけましょう。
不動産ガイド
上白石 優子
2013年から8年間不動産会社にて仲介営業担当。2021年からマンションリノベーションを専門に行う工務店にてコンサルタントに従事。その後、独立しマンション購入、リノベーション、資金計画などについての記事を書くライターとなりました。資産価値やライフプランを大切にするお客様に届くような記事を丁寧に書いて参ります。インテリアコーディネーターの資格取得のため勉強中。
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