マンションの購入で必ず発生するのが、固定資産税の支払いです。物件を所有している限り納税が続くので、どのくらいの金額になるのかが気になりますよね。また、入居後に発生する維持費にも注目しなければいけません。今回はこれらの疑問を解決しながら、実際にかかる費用について解説していきます。2億円のリノベマンションを購入した場合の実例もご紹介していますので、ぜひご覧ください。2億円のリノベマンション購入後にかかり続ける費用マンション購入後、住宅ローン以外での主な支出は「固定資産税」「共益費・修繕積立金」「リノベーション後の保守・メンテナンス費用」です。これらはマンションを安全に管理し、資産価値を保つために必要なお金です。まずはそれぞれの内容を見ていきましょう。固定資産税固定資産税とは「土地」と「建物」に対して課税される税金です。購入後のマンションは不動産資産となるため、所有者が毎年納税する義務があります。固定資産税の算出は土地や建物の価格をベースに行われます。計算式は以下の通りです。固定資産税=固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率) ※税率は自治体により異なるこれに加え、市街化区域と呼ばれる地域に不動産を所有している人には、都市計画税という税金もかかります。都市計画税は公共交通機関や道路、電気、上下水道などのインフラ整備の財源として使われます。安心・安全・快適に暮らせる街をつくるための税金です。東京23区に関しては、基本的に市街化区域に該当すると考えて問題ありません。都市計画税=固定資産税評価額 ×0.3%(上限税率)※税率は自治体により異なるリノベマンションの場合は追加工事などで物件価格が上がり、評価額が変わることも考えられます。これらの条件を踏まえて、年間税額の把握をしましょう。共益費・修繕積立金共益費とはマンションなどの共用部分を維持・管理する費用です。主に以下の用途に使われています。共用部分のメンテナンスや修繕ごみ置き場などの清掃エントランスなどの電気代管理組合の運営費物件によっては「管理費」と表記されているものもあります。意味合いとしては、ほぼ同じものを指します。修繕積立金とは、建物の診断や修繕工事を行うために充てられる費用です。10年〜15年に一度の大規模修繕のほかに、次のような工事代金にも使用されます。外壁、屋根、屋上の改修工事手すりなどペンキ塗り替え給排水管の交換工事エレベーターの修理積立金は長期修繕計画にもとづいて定められ、マンションの戸数によっても変動します。リノベーション後の保守・メンテナンス費用入居後の新しい状態や資産価値を保つためにも、定期的なメンテナンスが必要です。建物自体は管理会社が主体となってメンテナンスをしてくれますが、専有部分に関しては自分で行う必要があります。修繕積立金はあくまでも共用部分の管理に使用するお金です。専有部分については別で予算を組み立てましょう。専有部分のメンテナンス費用は設備の使用状況、経過年数などによって異なります。たとえば、住宅設備には次のような平均寿命があります。キッチンやお風呂10年~15年床の張り替え10年~15年壁のクロス5年~10年設備に関しては選ぶグレードによっても費用が大きく変わるでしょう。以上を考慮して、メンテナンスのタイミングや費用を見極める必要があります。2億円リノベマンションの固定資産税、維持費などの実例ここからは2億円のリノベマンションを購入した場合にかかる、固定資産税や維持費について見ていきましょう。固定資産税固定資産税を算出するには「固定資産税評価額」を知る必要があります。マンションの場合、土地・建物の評価額に応じて税額が決定します。土地は公示価格などの70%を目安に算出され、建物は再建築価格をベースに築年数による価値低下などを踏まえて算出します。2億円物件の評価額を1億2,756万円(土地:7,560万円×70%=5,292万円 建物:1億2,440万円×60%=7,464万円)とし、税率1.4%で計算します。結果、固定資産税は年間約179万円となりました。また、前出の算出方法により、都市計画税は年間42万円となります。ひとつ覚えておきたいのは、固定資産税評価額を決めるにあたって、軽減措置があるという点です。この措置が使えると、固定資産税、都市計画税ともに少なくなります。リノベマンションの場合、専有面積や省エネ住宅への改装などで軽減措置に当てはまる場合があります。共益費・修繕積立金2億円のリノベマンションは高級物件にあたるため、設備管理や防犯対策などに費用がかかります。特別な理由がない限り、一般的なマンションよりも共益費が高額になる印象です。通常、共益費は1万円〜2万円台ですが、億を超えるマンションは2倍以上の金額が相場とも言われています。マンションの規模や場所、管理システムによっても変わりますが、5万円を見積もっておけると安心です。修繕積立金はマンションごとに大規模修繕の予定や予算を決め、そこからの逆算で金額を出します。国土交通省によると、修繕積立金を決める際のガイドラインとして発表している金額は、1㎡あたり平均335円です。70㎡の物件だと約2万5000円となります。ただ、専有面積の広さやマンションの修繕内容により、積立金は変わります。余裕を持って5万円と考え、共益費と合わせて月10万円と見積りを立てておきましょう。リノベーション後の保守・メンテナンス費用2億円のリノベマンションでは高級設備が用いられるケースがあります。性能が良く、おしゃれな反面、メンテナンスには気配りが必要です。特にトラブルが多い水回りの保守には、毎日の掃除に加え、プロの手を借りるのもひとつの方法かもしれません。一般的なハウスクリーニング店で、キッチンが2万円、浴室2万円、トイレ1万円という設定額が見られました。これを年3回依頼すると、合計15万円の出費となります。また、リノベ後の物件は1年に1度の目安で設備点検をし、少しでも不具合があったら修理を行いましょう。早めに対処することで、将来のメンテナンス費用を少なくできるかもしれません。壊れてからすべてを交換するとなると、生活自体にも支障がでますよね。このように、リノベマンションには税金や共益費のほかに、快適な暮らしを守るための費用も必要となります。年間の総費用これまでの計算で、2億円のリノベマンションにかかる年間の総費用は356万となりました。内容金額固定資産税179万都市計画税42万共益費・修繕積立金120万室内クリーニング(水回りのみ)15万合計356万内容ごとに、金額は前後しますが、こちらを目安にご予算を検討してみてください。【まとめ】2億円リノベマンションの税金、維持費は年間356万円が目安リノベマンションを購入する際は固定資産税などの税金や、建物を管理するための費用がかかることを念頭におきましょう。また、専有部分に関しては計画性を持ったメンテナンスも必要です。みなさまのご予算に合わせて、シミュレーションを行ってみてください。