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作成日:
2025/5/28 04:43

近年大きな地震が続き、中古マンションの購入を検討している人のなかには「古いマンションって、耐震性は大丈夫?」と不安で購入に踏み切れない人もいるのではないでしょうか。
住宅の耐震性を判断する基準の一つが「耐震等級」です。この記事では、耐震等級の概要と中古マンションの耐震等級の調べ方、耐震性の高いマンションの見分け方について解説します。

耐震等級は住宅性能評価書で調べることができます。ただし、住宅性能評価書の取得は義務ではないため、取得していない場合、耐震等級がわからないこともあります。しかし、築年数がそこまで経過していないマンションなら、新築時にデベロッパーが取得しているケースが多いため、管理組合や売主に確認して一度調べてもらうのが良いでしょう。

引用:国土交通省 設計住宅性能評価書のイメージ(一戸建ての住宅の場合)
耐震等級とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき定められた「住宅性能表示制度」で表示される建物の性能のひとつで、耐震性能をランク付けしたものです。住宅性能表示制度で評価される項目には大きく以下の10項目があり、耐震等級はそのなかの「構造の安定に関すること」に属しています。

耐震等級では「地震に対する構造躯体の損傷(大規模な修復工事を要する程度の著しい損傷)の生じにくさ」が耐震等級1〜3の3つの等級で表されます。等級1は建築基準法と同レベルの耐震性で、想定される地震の揺れの強さは数十年に一度程度の地震力(東京だと震度5相当)です。最高等級の等級3は等級1の1.5倍の地震力に耐えられるとされています。

住宅性能表示制度では、国に登録した「登録住宅性能評価機関」が客観的な評価を実施します。住宅性能表示制度はさまざまな住宅の性能をわかりやすく表示し、良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するために作られた制度であり、良質な住宅を購入する目安となります。
耐震等級と似たものに、耐震基準があります。耐震基準は建築基準法に基づいて定められているものであり、「建築物が満たすべき最低限の耐震性能の基準」のことです。つまり、耐震等級は建物の実際の耐震性能をランク付けしたものであり、耐震基準は法的に定められた最低限の基準であるという違いがあります。建物を評価する際は、法的基準だけでなく、等級による実際の安全性能も確認しておくとよいでしょう。

耐震等級がわからない場合でも、比較的耐震性が高いマンションを見分ける方法はあります。次に、耐震性が高いマンションの特徴について解説します。
一般的に、マンションの形状が四角形に近いほど耐震性が高くなる傾向にあります。
曲がりくねった複雑な形状の建物では、部分的に大きな力が加わりやすくなります。しかし四角形のマンションなら地震の揺れに対してバランスが取りやすく、ねじれなどの力にも強いためです。
しかし注意が必要なのが「ピロティ構造」と呼ばれる1階部分が吹き抜けになっているタイプのマンションです。ピロティ構造は支える壁が少ないためねじれの力に弱く、古いマンションのなかには過去の大地震で倒壊したものも少なくありません。
建物の耐震性は建物の構造だけでなく地盤の強さにも大きく影響を受けます。マンションが建つ土地の地盤が硬く、揺れにくい環境であれば、それだけ揺れによる被害を最小限に抑えられます。
地盤の調査結果から、耐震性の高さがある程度推測できます。地盤調査の結果を調べられるWebサイトもいくつかあり、その一例が国民共済coopのWebサイトの地盤診断サービスです。住所で検索すると、地震の揺れやすさや液状化の可能性などがわかりやすくレポートで出力できます。

しかし、地盤が弱い土地に建つマンションが必ず危険というわけではありません。弱い地盤でもさらに下の強固な地盤まで杭を延ばすなど、支持力を確保できる工法を使用していれば問題ない場合もあります。
長期修繕計画に基づいた適切な管理が行われているマンションは、耐震性が高い傾向にあります。計画的に補修工事を行うことで、建物の耐久性が維持されているためです。
可能ならばマンションの管理状況を確認し、適正な維持管理が行われているかを確認しておくとよいでしょう。
古いマンションでも、現在の建築基準に適合できるように修繕すれば耐震性は保たれます。耐震化の手段として、壁を厚くする、壁や柱・梁を増やす、柱を補強するなどいくつかの工法があります。

修繕履歴や今後の修繕計画の内容を確認し、現行の基準を満たしているかどうかを調べましょう。
中古マンションで売主が住宅性能評価書を保有していなかった場合、デベロッパーに問い合わせをして住宅性能評価書を確認できます。ただし古いマンションなどは住宅性能評価書を取得していない場合もあるため、必ずわかるというものではありません。
デベロッパーが販売時に取得していなくても、管理組合があとから耐震診断を実施している可能性もあります。管理組合にも問い合わせてみるとよいでしょう。
中古マンションを購入するうえで、耐震性は重要な指標のひとつです。中古マンションの耐震性は、形状や地盤、管理状況など、さまざまな要因から総合的に判断する必要があります。住宅性能評価書により耐震等級がわかれば、耐震性の正確な評価が可能です。
また、耐震等級がわからない場合にはマンションの構造や地盤からある程度耐震性の判断が可能です。自分と家族の安全を守れるマンションを賢く選ぶためにも、耐震等級や関連情報を調査して購入の判断に役立てましょう。
不動産ガイド
上白石 優子
2013年から8年間不動産会社にて仲介営業担当。2021年からマンションリノベーションを専門に行う工務店にてコンサルタントに従事。その後、独立しマンション購入、リノベーション、資金計画などについての記事を書くライターとなりました。資産価値やライフプランを大切にするお客様に届くような記事を丁寧に書いて参ります。インテリアコーディネーターの資格取得のため勉強中。
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