マンションを購入するとき、「いつまで住み続けられるのか」と気になる方もいらっしゃるでしょう。中古マンションの購入を検討しているなら、特に気になるポイントではないでしょうか。この記事では、中古マンションのなかでも、築20年が経過したマンションについて紹介します。住める年数や資産価値、メリット・デメリットも解説しますので、最後までお読みください。築20年のマンションはあと何年住める?ここでは、築20年のマンションを購入するとあと何年住めるのかを以下の2つのポイントに分けて解説します。築20年のマンションの寿命築20年のマンションの資産価値ひとつずつ詳しく説明します。築20年のマンションの寿命築20年経過したマンションの寿命は、正確には決まっていません。鉄筋コンクリート造(RC)の法定耐用年数は47年ですが、これは固定資産の減価償却を計算する際に用いられる年数です。あくまで税金を計算するうえでの資産価値の問題なので、実際のマンションの寿命とは関係ありません。法定耐用年数をすぎても十分住み続けられるので、実質築20年のマンションに「明確な寿命はない」といえます。とはいえ、建物のメンテナンス状態によって住み続けられる期間は変わりますので、購入前に物件の「修繕履歴」を確認するのがおすすめです。物件の修繕履歴は、基本的に管理会社によって保管されています。購入前であれば物件を取り扱っている不動産会社でも問い合わせ可能なので、事前に確認しておきましょう。築20年のマンションの資産価値築20年のマンションの資産価値は、購入時から大きく減少しない場合が多いです。マンションの価格は築25年~30年で大きく下落する傾向があるため、資産価値が下がっていない築20年ならまさに売り時といえます。公益社団法人東日本不動産流通機構の発表した「首都圏不動産流通市場の動向(2023年)」によると、2023年の中古マンションの成約数は約4万件でした。新築戸建て住宅の成約数は約5000件、中古戸建住宅は約1万3000件だったことと比較しても、中古マンションの需要の高さがわかります。なかでも首都圏にある中古マンションは、成約物件の価格が上昇傾向にあるようです。中古マンションのニーズは高いので、今後も築20年のマンションの資産価値が下がる可能性は低いといえます。ただし、不動産の資産価値は、築年数だけでなく立地や物件の状態の影響も受けるため、築年数以外の部分もきちんと確認することが重要です。築20年のマンションを購入するデメリットここでは、築20年のマンションを購入するデメリットを紹介します。住宅ローンの借り入れ期間が短くなるケースがある売却がうまくいかないケースがあるひとつずつ詳しく説明しますので、気になるところがあればチェックしてみてください。住宅ローンの借り入れ期間が短くなるケースがあるまず、ひとつ目のデメリットは、住宅ローンの借り入れ期間が短くなる可能性があることです。住宅ローンの融資期間を決める要素には、上述した「法定耐用年数」が含まれています。鉄筋コンクリート造(RC)の耐用年数は47年ですので、ローンを組める最大期間は20年を引いた27年間となります。さらに、実際にローンを組むときはそれより短い期間になる場合もあるようです。金融機関側も融資するために、物件の担保価格を慎重に判断する必要があります。そのため、マンションの劣化状態も厳しく審査しています。たとえ築20年しか経過していなくても、劣化状態によってはもっと経過年数を差し引くケースもあれば、融資自体を断られてしまう場合もあるようです。住宅ローンの借り入れ期間が短いほど、月々の返済負担額が大きくなります。返済の負担が大きいと生活にも影響が出るので、住宅ローンを申請する前に一度金融機関に相談して、返済シミュレーションをしておきましょう。売却がうまくいかないケースがある築20年のマンションはニーズが高い一方で、エリアや売り出し価格によって売却がうまくいかないこともあります。中古マンションの魅力は、立地が良く、新築の物件より安く購入できることです。しかし、交通利便性の悪いエリアにあったり、新築とそう変わらない価格で売り出したりなど、中古マンションならではのメリットがない場合は、なかなか売却できない可能性も高まります。また、「喫煙により壁紙が汚れている」「水漏れで床が傷んでいる」など、築年数より劣化が進んでいる場合も売却がうまくいかないようです。そのため、価格設定の見直しやリノベーションなどを行い、売却しやすくなる対策を行えるとよいでしょう。築20年のマンションを購入するメリットここからは、築20年のマンションを購入する3つのメリットを紹介します。選択肢が多くある新耐震基準を満たしている新築よりも価格が比較的安いひとつずつ解説します。選択肢が多くあるひとつ目の中古マンションを購入するメリットは、物件数が多いことです。マンションは1960年代から建築され続けているので、年々中古マンションの数が増え続けています。それだけ選択肢が多くあるので、希望の間取りや立地にこだわってマンションを選べます。また、立地の良い物件は資産価値を保てるので、今後の売却も想定して物件を購入できるのも魅力的なポイントです。新耐震基準を満たしている2024年時点で築20年のマンションは、概ね2004年築の物件です。そのため、1986年6月に改訂された「新耐震基準」で建てられています。新耐震基準は「震度6強〜7程度」の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しないことが基準になっているので、地震による倒壊リスクを回避できます。耐震基準はもちろん、物件の建っている場所の地盤も重要なので、併せて確認しておくとより安心して暮らせるでしょう。新築よりも価格が比較的安い築20年の中古マンションは、新築よりも比較的安い価格で売り出されています。新築マンションの約5〜6割程度の価格に抑えられていることが多く、リノベーションしても新築マンションよりは安く購入可能です。築20年のマンションは、予算が限られている方やリノベーション前提で物件を探している方にピッタリの物件といえます。築20年のマンションは資産価値も高く暮らしやすい中古マンションのなかでも、購入後に値崩れしにくい築20年のマンション。立地の良さや価格の安さから、その需要は高まりを見せています。メンテナンス次第で長く住み続けられるのも魅力です。築20年のマンションの購入を検討するときは、この記事で紹介したメリット・デメリットもに参考してみてください。