昨今のマンション市場は価格高騰が続いており、新築・築浅のマンションは手が出づらい価格帯となっているのが現状です。そんな中、手頃な値段で手に入る築30年前後の築古マンションに注目が集まっています。この記事では、築30年のマンションの寿命・耐震性・資産価値について詳しく解説していきます。税金や管理費など、月々のコストについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。築30年のマンションの寿命築30年のマンションで最も気になるのは「あと何年住めるのか?」という点ではないでしょうか。国土交通省の調査によると、鉄筋コンクリートで造られた建物の物理的な寿命は120年と推定されています。1953年に東京都により分譲された日本最古のマンションと言われる「宮益坂ビルディング」は築63年で解体・建て替えとなりました。このような点を鑑みると、築30年の中古マンションを購入した後、最低でも30年以上、適切なメンテナンスが実施されているマンションであれば、100年以上住み続けることも可能と言えるでしょう。築30年のマンションの耐震性マンションの寿命と同じく気になるのが、建物の耐震性ではないでしょうか。建物の地震に対する安全性を表す基準が耐震基準であり、1981年6月以降に建築確認を受けた建物は、現行基準と同じ新耐震基準が適用されています。新耐震基準では、震度6強から7程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しないことを基準としており、築30年のマンションは、すべて「新耐震基準」を満たしているため、耐震性を気にする方も安心できるでしょう。築30年のマンションの資産価値東京都のマンションの築年数別価格下落率を見ていきましょう。引用:ダイヤモンド不動産研究所上の図を見ると、マンションの価格は築30年を過ぎたあたりからほとんど値下がりしていないことが分かります。これは、築30年を超えると建物の価格がほぼゼロ円になり、土地価格のみとなるためです。新築や築浅マンションに比べて資産価値が落ちにくいというのは、大きなメリットと言えます。築30年のマンションにかかる税金・管理費マンションを購入する際、物件価格へ目が行きがちですが、購入後も税金や管理費などの維持費が発生することにも考慮が必要でしょう。住宅ローンを利用されている方も多いと思いますので、毎月の返済にプラスして支払い続けることになる維持費は重要なポイントと言えます。ここでは築30年のマンションにかかる固定資産税・管理費・修繕積立金・その他の維持費について見ていきましょう。固定資産税マンションを購入すると毎年発生するのが、建物と土地にかかる「固定資産税」です。具体例として、都内にある新築4,000万円のマンションのおおよその額を出してみましょう。築年数固定資産税新築116,600築6年163,200築10年150,100築20年117,300築30年89,400築40年75,800築50年74,600固定資産評価額:建物1,000万円/土地2,000万円土地の評価額は変わらないものとして計算固定資産評価額は実勢価格の70%として計算標準税率1.4%として計算このように、固定資産税は年々低くなるため、築30年のマンションであれば、納税額を低くおさえられると言えるでしょう。管理費・修繕積立金管理費と修繕積立金は、マンションを所有している限り支払い続けていくことになる費用です。それぞれの内容は以下の通りです。科目目的例管理費日々の維持管理・管理員や清掃員の人件費修繕積立金長期修繕計画に基づく計画的な維持修繕・外壁の補修や塗装次に築年数別の平均額を記載します。築年数管理費修繕積立金合計9年以内19,897円6,928円26,82510年18,138円9,846円27,98415年18,327円12,386円30,71320年17,318円12,649円29,96725年16,862円13,447円30,30930年14,997円12,760円27,75735年14,346円12,154円26,50040年15,481円11,673円27,15445年11,857円13,112円24,96950年10,768円11,306円22,07455年以上10,341円25,348円35,689全体15,956円12,268円28,224※参考:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」※駐車場使用料等からの充当額を含む支払う側としては管理費・修繕積立金は低いほうが良いでしょう。しかし、上記グラフの平均額と比べて低すぎる場合は、今後発生する以下のような工事に対して修繕積立金が不足していないか注意が必要です。 エレベーターの更新 機械式駐車場の更新 給排水菅の更新 大規模修繕工事築30年のマンションを選ぶときには、大規模修繕の実施状況や修繕積立金の積立額を事前に確認しておきましょう。維持費管理費や修繕積立金以外にも以下のような維持費がかかります。 駐車場、駐輪場代 火災保険料、地震保険料 トランクルーム使用料 専用庭、ルーフバルコニー使用料住宅ローンを含め、マンションを所有することで発生する維持費をすべて洗い出した上で、マンションの購入を検討することをおすすめします。【まとめ】耐震性もあり手頃な金額で手に入る築30年マンションはおすすめこの記事では、築30年のマンションについて耐震性や資産価値などを解説しました。築30年のマンションは、資産価値が下がりにくい上、基本的に新耐震基準で建築されているため耐震性の心配もありません。新築や築浅マンションに比べ手頃な金額で手に入る築30年のマンション。マンション購入を検討の際は、ぜひ選択肢のひとつに加えてみてください。