引っ越しのため、物件情報を見ていると「1SLDK」という間取りを見かけることがあるのではないでしょうか。しかし、リビング・ダイニング・キッチンを意味する「LDK」は見覚えがあっても、「S」の意味を知らないという方もいらっしゃるでしょう。この記事では、1SLDKの定義や使い方を解説します。メリット・デメリットも説明しますので、最後までお読みください。1SLDKの「S」はサービスルーム1SLDKの「S」は、サービスルーム(Service Room)という意味です。広さに明確な定義はなく、2畳ほどのこともあれば、4.5畳ほどの場合もあります。広さの上限がないため、一見すると普通の居室と変わらないように見えるケースもあります。また、必ず「S」と表現されるわけではなく、「書斎」や「DEN(デン)」と表現されるケースもあり、使い方も幅広いことが特徴です。1SLDKは1LDKや2LDKと何が違う?1LDKは「リビング」「ダイニング」「キッチン」のほか、玄関と水回り(浴室・トイレ)に加え、1部屋ある間取りです。2LDKは、1LDKにもう一部屋追加した間取りになっています。1LDK、2LDK共に、ひとり暮らしから2人暮らし用に使われるケースが多いです。こうした間取りにサービスルームが加わると、「1SLDK」という表現になります。また、サービスルームは建築基準法で「居室」に適合しない部屋のことを指しており、採光や換気の基準を満たしていません。トイレや浴室、玄関、納戸、押入れ、クローゼット、廊下などと同じ「居室以外」のスペースです。そのため、居室であるLDKとは異なり、短時間の作業や収納スペースとして使われることが想定されています。サービスルームの使い方ここでは、サービスルームの使い方を3つ紹介します。パントリー書庫ワークスペースひとつずつ、具体的に見ていきましょう。パントリーひとつ目に紹介する使い方は、食品や食器を収納する「パントリー」です。一定の広さがあるため、耐震性のある棚を設置すれば、缶詰や油、調味料などのストックを収納できます。パントリーがあれば、お得なタイミングでまとめ買いした日持ちする食材でキッチンの収納があふれてしまう、という事態を回避できます。また、日本は地震大国なので、水や災害用保存食などのストックに利用するのもおすすめです。書庫サービスルームは採光が確保できないケースが多いため、日焼けすると傷んでしまう書籍の保管に最適です。日差しが入らないことによる暗さを活かし、書庫として利用できます。また、本棚を設置すればたくさんの本を収納できるため、自室に収納しきれない本の収納におすすめです。手元を照らす照明があれば、自分だけの書斎で読書を楽しめます。ワークスペースサービスルームは、ちょっとした仕事スペースとしても活用できます。デスクや椅子を置けば、集中できる空間で作業できそうです。しかし、あくまで居室として利用できない部屋なので、長時間の作業には適していない場合もあります。換気や採光が十分ではないため、在宅勤務で利用するときは一時的に集中するために利用するのがおすすめです。サービスルームのメリットサービスルームのメリットは、その用途の多さにあります。上記で紹介したとおり、パントリー・書庫・ワークスペースなどさまざまな方法で利用できます。また、広さに見合う収納力があるため、「日常的には使わないがいざというときに必要なもの」を収納できる点も魅力的です。来客用の布団や防災用の備蓄、布団乾燥機など、収納場所をつくるのが難しい物を置いておくのに最適です。さらに、部屋数が同じ間取りと比較すると家賃が安くなるというメリットもあります。例えば、2LDKの間取りに加え、サービスルームが一部屋あるなら、実質3LDKの間取りが「2LDK+S」という表記になります。専有面積と部屋数が3LDKと同じであっても、2LDK+Sの方が価格を低く抑えられるケースが多いです。サービスルームのデメリット用途が豊富で便利な一方で、サービスルームにはエアコンが設置できない、十分な大きさの窓がないなどのデメリットがあります。作業するための明るさや、長時間過ごすための快適な温度の調整が難しい場合もあります。さらに、コンセントがなく、テレビや電話回線を設置できないこともあり、在宅勤務やテレワークに不向きな可能性も少なくありません。サービスルームの換気が難しいケースでは、湿気が溜まるリスクもあります。本や衣類にかびが生えてしまうかもしれないので、換気できない場合は除湿対策が必須です。また、空間を広く使いたい場合には、サービスルームの存在が邪魔になることもあります。できるだけオープンな空間を広く使うときは、LDKか他の部屋とひと続きになっている間取りを探しましょう。サービスルームを活用して快適な暮らしを1SLDKの「S」とは、居室ではないスペースである「サービスルーム」という意味です。リビング・ダイニングキッチンと、浴室やトイレ、玄関などのスペースに加え、サービスルームがある間取りを「1SLDK」と表現します。サービスルームの広さに明確な定義はなく、普通の部屋と変わらないくらいの広さのケースもあります。そのため、収納から趣味部屋、ワークスペースなど、さまざまな用途で利用可能です。LDKとは異なり、十分な採光や換気を確保できない場合が多いので、活用したいときは快適な環境に整えられるかどうかを確認しておきましょう。