全国で1.4%しかいないといわれる世帯年収2000万円のパワーカップル。そのパワーカップルが組める住宅ローンは、どのような計画が「理想的」なのでしょうか?この記事では、世帯年収2,000万円にこだわり、手取り額・生活費から、住宅ローン・購入できる価格帯まで掘り下げて解説します。適正価格帯のおすすめマンションもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。世帯年収2,000万円の手取り額は100万~116万円世帯年収が2,000万円を超えるパワーカップルの場合、額面年収に対して手取り額は60%~70%になるのが一般的です。この場合、手取り年収は1,200万円~1,400万円となり、月の手取り額は100万円~116万円となります。ただ日本は累進課税を取っているため、夫婦どちらかの年収が下がると税率が下がり、手取りが増える可能性があります。下の2つの表は、夫婦2人とも年収1,000万以上と、どちらかが1,000万以下の場合の手取り額を比較した表です。① 夫婦2人とも年収1,000万の場合手取り目安手取り額(年間)手取り額(月)夫:1,000万円60%~70%600~700万円50~58万円妻:1,000万円60%~70%600~700万円50~58万円世帯:2,000万円-1,200~1,400万円100~116万円② どちらかが年収1,000万以下の場合手取り目安手取り額(年間)手取り額(月)夫:1,500万円60%~70%900~1,050万円75~87万円妻:500万円70%~80%350~400万円29~33万円世帯:2,000万円-1,250~1,450万円104~120万円上の表の①と②では、②の方が4万円ほど手取り額(月)が多いことが分かります。世帯年収2,000万円の生活費世帯収入2000万円の手取り額がわかったところで、次に生活費の水準を、以下の2パターンで見てみましょう。夫婦2人の場合の生活費子どもがいる場合の生活費「手取り額-生活費」の計算で、住宅ローンや貯蓄に回せる金額を出すことができます。①【世帯年収2,000万円】夫婦ふたりの場合以下の表は、総務省のデータを元に作成したものです。夫婦2人の場合の生活費(月)は、約36万であることがわかります。項目生活費(月)食料70,166住居修繕等16,320光熱・水道30,042家具・家事用品22,585被服及び履物21,609保健医療14,646交通・通信49,022教育8,276教養娯楽36,343その他の消費支出94,161合計363,169引用:総務省統計局「家計調査報告・家計収支編の年間収入階級別」※子供に関わる費用を削除するなど一部調整教養娯楽費には「書籍」「レジャー代」などがあり、その他の消費支出には「こづかい」「理容代」「交際費」などが含まれます。世帯の手取り月収が100万円の場合、この約36万円を差し引いた64万円から、貯蓄などに回す資金を差し引いた金額が、住宅ローンに回せる金額となります。上の表から各家庭の特性を加味して、ご自宅の生活費を算出してみてください。②【世帯年収2,000万円】子どもがいる場合次に子どもがいる場合の生活費(月)は、約53万円という結果になりました。以下の表も上の表と同じく、総務省のデータを元にしており、子供の平均人数は1.28人となっています。項目生活費(月)上の表との差額食料115,072+44,906住居修繕等16,3200光熱・水道30,0420家具・家事用品22,5850被服及び履物25,419+3,810保健医療24,019+9,373交通・通信71,825+22,803教育41,943+33,667教養娯楽59,603+23,260その他の消費支出122,351+28,190合計529,179+166,010引用:総務省統計局「家計調査報告・家計収支編の年間収入階級別」夫婦2人の場合より月間で約16万円増えており、主な理由は食費・交通・通信・教育費、レジャー代がある教養娯楽・こづかいを含むその他の消費支出です。このケースでは、世帯の手取り収入を100万円とした場合、生活費を差し引いた残高は約47万円。この47万が貯蓄・住宅ローンなどに割り振れる金額となります。世帯年収2000万円の理想の住宅ローンの返済プランここでは、世帯年収2,000万円の理想的な住宅ローンの返済プランを、「期間の長さ」に焦点をあてご紹介します。返済期間35年・30年・20年の計画を、以下の内容でシミュレーションします。購入マンション:1億円世帯手取り収入(月):100万生活費(月):53万円住宅ローンに回せる金額:47万それでは順に見ていきましょう。①【返済期間35年】1億円のマンション購入まずは返済期間を35年と、最も長い期間で設定した場合のローン計画です。頭金金利種別月返済額返済比率返済総額2,000万円固定:1.91%261,330円26%109,758,600円2,000万円変動:0.475%206,785円21%106,849,700円なし固定:1.91%326,662円33%137,198,040円なし変動:0.475%258,482円26%128,562,440円※世帯手取り額100万円(月)で計算返済期間35年で頭金がある場合、金融機関の多くが基準とする返済比率30~35%を余裕を持ってクリアしており、どのプランでも問題無くローンを組めるでしょう。一方頭金がなしの固定金利の場合は、金融機関によっては住宅ローンを組むのが難しいケースもありそうです。②【返済期間30年】1億円のマンション購入次に、返済期間30年のローン計画を見てみましょう。頭金金利種別月返済額返済比率返済総額2,000万円固定:1.91%292,108円29%105,158,880円2,000万円変動:0.475%238,475円24%105,851,000円なし固定:1.91%365,135円37%131,448,600円なし変動:0.475%298,094円30%127,313,840円※世帯手取り額100万円(月)で計算ローン期間30年の場合、頭金を設定すると金融機関の基準である返済比率30~35%をクリアしているので、住宅ローンを組める可能性が高いです。一方頭金なしの場合、変動金利であれば問題ありませんが、固定金利の場合は返済比率37%となっており、30~35%の基準をクリアしていないため住宅ローンを組むのは難しいでしょう。なお変動金利に関しては「20年間金利が変わらない」という予測を立てている点にも注意が必要です。バブル前後には6%を記録していた時代もあり、現在においてもその可能性はゼロではありません。変動金利を選択する場合は、固定金利への乗換ができるかなども事前に確認しておきましょう。③【返済期間20年】1億円のマンション購入最後に、返済期間が最も短い20年の住宅ローンです。頭金金利種別月返済額返済比率返済総額2,000万円固定:1.91%401,305円40%96,313,200円2,000万円変動:0.475%349,483円35%103,875,920円なし固定:1.91%501,632円50%120,391,680円なし変動:0.475%436,854円44%124,844,960円※世帯手取り額100万円(月)で計算返済期間20年・頭金なしの場合、金融機関が基準とする返済期間30~35%をクリアしておらず、ローンを通すことは難しいと言えるしょう。一方頭金2000万・変動金利の場合はギリギリの水準ですが、世帯手取り金額から生活費と住宅ローンを差し引いた残金は約13万円なため、月によっては赤字のケースもあるかもしれません。20年ローンを組む場合、頭金を増やす・ボーナス払いを設定するなどの対策をする必要がありそうです。世帯年収2000万円で買える中古マンションは1億~1億2000万円世帯年収2,000万円のパワーカップルは、1億円のマンションの住宅ローンを余裕を持って組めることがシミュレーションから分かりました。住宅ローンは一般的に、年収の5倍から6倍が適正とされており、これにあてはめると世帯年収2,000万円の家庭は1億円~1億2,000万円のマンションが買えることとなります。ここまでのシミュレーションでは1億円を想定していましたが、頭金・期間・金利を調整することで1億2,000万円のマンションも購入できる可能性があります。【まとめ】世帯年収2000万円の住宅ローンの返済は余裕のある計画をこの記事では、世帯年収2,000万円のパワーカップルが組める理想的な住宅ローンに焦点をあててご紹介しました。シミュレーションでは、返済期間30年以上の住宅ローンが無理のない計画となっています。手取り収入・生活費・貯蓄など、ご自身の状況に合わせて、より精度の高いシミュレーションにブラッシュアップしてみてください。▶︎東京23区の高級マンションの物件一覧▶︎8,000〜10,000万円の物件一覧