ゆったりとした敷地と住環境の良さに魅力を感じ、低層マンションの購入を検討する人も多いのではないでしょうか。しかしデメリットについても知っておかないと、「思っていたのと違った」と後悔するかもしれません。本記事では、低層マンションに住むメリット・デメリットについて詳しく解説します。低層マンションの特徴を知って、希望に合ったマンション購入の参考にしてください。低層マンションの特徴一般に低層マンションとは、地上3〜5階建て程度の低層の集合住宅を指します。一般的に、閑静な住宅街に建っていることが大きな特徴です。都市部には都市を一体化して開発・整備するために「都市計画」が決められており、都市計画区域内には活用目的に合わせた「用途地域」が定められています。低層マンションの多くが建てられているのは、良好な住環境を守るための地域である「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」です。これらの地域内は建物の高さや建ぺい率・容積率、建てられる建物の種類などの規制により、日当たりや閑静な住環境が守られるように決められています。「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」の周辺には大規模な店舗や商業施設は建てられないため、駅近の賑やかな立地に建てられることが多い高層マンションと比較すると周辺の利便性は若干劣るかもしれません。しかし、低層マンションは住環境を重視したい人には理想的な住まいといえるでしょう。低層マンションに住むメリット低層マンションは、建物自体が低いという点以外にも、メリットが複数あります。価値観や住まいに求めているもの次第では、高層マンションよりも魅力を感じる人もいるでしょう。ここでは低層マンションのメリットについて解説します。構造的に地震に強い低層マンションは高さが低い分、高層マンションと比較して同じ接地面に対して支える体積が少ないため地震の揺れに強い点が特徴です。また、低層マンションの多くが壁で建物を支える「壁式構造」を採用している点も地震に強いといわれる理由です。そのため、万が一大規模な地震が発生しても、倒壊のリスクは極めて低くなります。また、万一大地震が起こって停電が起きたり避難が必要な事態になったりする際にも、エレベーターを使用せずとも出入りが容易な低層マンションは高層マンションと比べていざというときも安心です。地震の多い日本において、地震に対する安全性が高い建物構造は大きなメリットとなるでしょう。落ち着いた住環境が整っている低層マンションが建つ地域のほとんどは、緑が多く落ち着いた住環境が整っています。周辺には大規模な商業施設やビル街はほとんどなく、小規模店舗やアパートなどの住居が点在する閑静な街並みが広がっています。そのため朝夕の通勤ラッシュ時を除けば車通りが比較的少ないため、騒音が気になることはほとんどありません。子どもでも安心して外で過ごせるうえに、低層住宅向けの地域は学校や公園が周辺にあることが多く、子育てファミリー向けの環境でもあります。低層住居しか建てられない地域に建っていることが多い低層マンションは、駅周辺の地域と比較して近隣に大規模施設ができて住環境が一変するようなリスクが少なく、良好な住環境が維持されやすい点もメリットです。資産価値が保たれやすい住環境が長期にわたって変わりにくい低層マンションは、資産価値が急落しにくい点もメリットのひとつです。中高層のマンションが建っている地域は裏を返せば「周囲の良好な住環境の維持より地域の活性化を重視する地域」でもあります。周囲にマンションより高い建物ができて日当たりが悪くなったり、大型施設ができて住環境が悪くなったりする可能性もあり得ます。その点低層マンションが建つ住宅地域は都市計画によって良好な住環境の維持が図られているため、大規模開発や高層ビル建設などによる環境の急変が起こりません。静かな住宅街の雰囲気が長く保たれやすいため、資産価値の下落リスクが低くなります。低層マンションに住むデメリットそれでは、高層マンションと比較して低層マンションを選んだ際のデメリットとしてはどのようなものがあるでしょうか。次に、低層マンションのデメリットについても解説します。近所付き合いが必要になることが多い低層マンションは戸数が少ないため、他の住民と顔を合わせる機会も多くなります。出入りの把握も容易な低層マンションではプライバシーが守りづらくなる傾向にあります。その結果挨拶を交わすだけでなく、望んでいる距離感以上の近所付き合いの必要が出てくる可能性もあるでしょう。住民同士の交流は心強い面もあるものの、都会的な生活を好む人やプライバシーをあまり詮索されたくない人からするとデメリットとなる面もあります。共用施設が少ない大規模マンションのメリットのひとつに豊富な共用施設があります。ゲストルームやジム、プレイルーム、保育園があるマンションもあり、マンション内での高い利便性がある点はとても魅力的です。しかし低層マンションには、共用施設がほとんどついていません。マンションの敷地内での利便性を求める人には、低層マンションは物足りないと感じるかもしれません。【まとめ】低層マンションのメリットデメリットを理解し、ライフスタイルに合わせて選ぼう低層マンションには、落ち着いた住環境や地震に強い構造などのメリットがある反面、共用施設の乏しさや近所付き合いの発生など人によってはデメリットと感じる部分もあります。メリット・デメリットを十分に理解したうえで、自身のライフスタイルに合うかどうかを検討して購入すべきか考えましょう。